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アジサイ・ジャガイモ・カキツバタ -アトリエN- [アトリエN]

 牧野富太郎博士は巷間流布している植物名の間違いについて、繰り返し説かれている。
 その1 アジサイは断じて紫陽花ではない。
 アジサイを紫陽花とした根拠は、白楽天の「長慶集」に出てくる一首の詩であるが、山花一樹ありて色は紫に気は香しく・・・・紫陽花を以て之に名づく、とあるのを日本の学者があやまってアジサイに比定したものだと。
 しかしアジサイは山地の花ではないし、香気もなく、そもそも日本産の花であるから紫陽花とは似ても似つかぬものであると。
 その2 ジャガイモは断じて馬鈴薯ではない。
 ジャガイモは南米原産で、それがヨーロッパを経由して日本にわたってきたものだが、ある学者が、福建省の松渓県のみに産する馬鈴薯の事だと言い出して定着してしまった。
 その馬鈴薯なるものはツル性の植物で、根の色は黒く、味は苦甘い。これがどうしてジャガイモと言えるのか?と。
 その3 カキツバタは断じて燕子花ではない。
 わが邦では古くからカキツバタに燕子花の字をあてているが、燕子花は蔓のようにひょろひょろした茎に六・七個の花が付く植物で、かのツンとした茎に一花ずつ咲くカキツバタとは似ても似つかぬものではないかと。
 日本植物学の父と言われる牧野博士がいくつもの本にも書き、講演でも繰り返し主張されたにもかかわらず、今日でもアジサイは紫陽花であり、ジャガイモは馬鈴薯のことにされていて、カキツバタは燕子花と書かれる。
 現代の日本の識者が英語中心主義であるように、いやそれ以上の長きにわたって、この国の知識人は中国中心主義および漢名中心主義であった、その心的傾向が上記のような過ちを産んだのだろう。アジサイもジャガイモもカキツバタも漢名に無ければおかしい、という誤った信念のもとに、文典を漁ったのではあるまいか。
 もうひとつ、牧野博士はハマナスは誤称であると主張されている。大抵の書物には、その実が茄子のようだからハマナスというのだと解いてあるが、その実の味と形によって梨になぞらえたのだ。したがってハマナシというのが正しいのであると。
 日本植物学の巨人である大牧野博士の説に従って、私は今後あじさいはアジサイと、じゃがいもはジャガイモと、かきつばたはカキツバタと書くことにしよう。
 そのほうが書き間違いも起こらないし。
 しかし。
 ♪知床の岬にハマナシの咲くころ♪
 唄いにくいなあ・・・・・・・。
  N田さん

アジサイ.jpg
アジサイ。提供:「素材Good」https://sozai-good.com/

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