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ヤマザクラ、新しい世界に旅立つ [よもやま話]

ヤマザクラがゆっくり倒れる音は、凄惨で壮絶だった。「むねんじゃあ~と叫んでいる」とS々木さんの声。後ろ髪を引かれる思いで枝を下ろし、ホダギや落ち葉囲いの材料を揃えていく。午前の作業も目途が立ち、そろそろ昼食と広場に戻ると、明るい陽射しをいっぱい浴びてT熊さんとM岡さんが作業している。
「かあさんが夜なべをして手袋編んでくれた……おとうは土間で藁打ち仕事。お前も頑張れよ」。窪田聡作詞作曲「かあさんの歌」が心に浮かぶ。ふるさと童謡の世界。陽だまりの農家の縁側で黙々と作業をするお父とお母……。

細いシノダケをハサミで切っていた。シノダケ・ヒンメリを作るのだろう。二人とも様になっている。T熊さんはテーブル作りのグラインダー掛けでも、マスクをして一心不乱に板を研磨していたが、そのときも様になっていた。手作業が似合うのだ。

ヤマザクラの枝を拾ってきたM岡さんが見せてくれたのには、明るい黄緑色の木肌が帯状にくっきりと出ている。「皮をむいたらこの色になったの」。「皮を細かく磨くとツヤが出てきれいになる」とA田さんがさっそく試してみる。「茶筒になる」とS々木さんが感動する。「薄く磨いて木工ボンドで接着すれば茶筒ができる」。なるほど、あのヤマザクラはこれから新しい世界で生きていくんだ。

伐倒したヤマザクラの枝.JPG
伐倒したヤマザクラの枝には葉芽が芽吹いていた。B場さんいわく「ヤマザクラは葉芽と花がほぼ同じに開く」。

シノダケのハサミカット.JPG
シノダケをハサミで切る。のどかな農家の縁側がここにあった。

ヤマザクラの皮むき枝.jpg
皮をていねいに剥くと、明るい黄緑色の木肌が現れた。

ヤマザクラの皮.jpg
皮を磨けば、赤みを帯びた見覚えのある模様が現れる。茶筒だ。


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