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大根のような・・・・・ -アトリエN- [アトリエN]

 せり・なずな・ごぎょう(おぎょう)・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろこれや七草。
 ご存じ春の七草のうち、すずなとは蕪(小蕪)のことで、すずしろとは大根のことであるが、どうしてこのふたつに「すず」がついているのかと不思議に思っていた。
 ちくま学芸文庫の『花物語』(牧野富太郎著)を読んで、疑問が解けた。
 すずなの「すず」は小さいという意味で、すずしろの「すず」は清らかの意味なのだそうだ。すずしろの語は清白とでも宛てれば良いのだろう。
 昔々の大根は、今日のように太くなかった。
 「大根足」という言葉があるが、古事記には「大根のように白く細い腕」という表現が有り、そのことからも、大根のような足とは、ファッションモデルのように白くてほっそりした脚という褒め言葉だったのだろう。
 大根足が「ぶっとい足」という意味で使われるようになったのは、江戸時代以降のことであるそうだ。営農家のたゆまぬ努力が、今日のような大きくて種々さまざまな大根を作り上げたのである。
 植物学的には、蕪の実の部分は胚軸(茎と根の間の部分)が肥大したもの。大根の場合は上半分が胚軸、下半分が根の、それぞれ肥大した部分であるそうで、その証拠に蕪の根毛は実の下についているが、大根の根毛は実の下半分にその痕跡がある。
 三国志で有名な蜀の軍師・諸葛孔明の名にちなむ諸葛菜とは、実は蕪のことで、遠征時の兵の食料として改良したのでその名がついたらしいが、なぜ日本でオオアラセイトウ(ムラサキハナナ)の別名となってしまったのかは謎である。中国と日本での植物名の取り違えは、ほかにもたくさんあるようだ。
 芝居の下手な役者を大根役者というが、これには諸説あり、大根が白いことからシロウト(素人)に近い役者のことを言った……という説や、大根はいくら食べても食あたりしないことから、当たらない役者のことをなぞらえたとか、早々に舞台から降ろされるので、大根おろしにひっかけたという説など、さまざまあるようだ。
 いろいろと莫迦にされがちな大根だが、なな山の菜園で採れる大根はたまらなく旨い。
 T橋さんをはじめ、携わった皆さんの丹精の賜物だろうが、なな山に限って言えば「大根のような」とは、素朴だが格別に旨いことの形容句と言っていいだろう。
  N田さん

花ダイコン.jpg
花ダイコン。提供:「写真素材足成」(www.ashinari.com)

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