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西の谷の景観が明るくアップした! 活動記録(2017.4.23) [活動報告]

なな山緑地の会の皆さん

活動記録 No. 316 (2017/4/23) を作成しました(M崎さん記)。

前夜の雨が上がり、朝から好天に恵まれた活動日で参加者の出足も良かった。
西の谷の通路に覆い被さるように傾いていた3本株立ちのサクラは、山側の根が以前から浮き上がっていて危険なので伐倒する事になった。倒す方向の反対側斜面にアーチを掛けた様に倒れたが、何時見ても倒れる瞬間は身が引き締まる迫力が有る。サクラの伐倒で今まで日陰でくすぶっていた植物が元気に顔を出してくれるでしょう。湧水の水路を整備した事により西の谷の景観が一段とアップし行きやすくなった。

二十四節気は馴染みが無いようにみえて、私たちの日常生活と意外に密接な関係にあります。4月20日は二十四節気の一つで穀雨(こくう)と呼ばれ、百穀を潤し、芽を出させる雨という意味だそうです。農業を営む人は、この時期に種まきをすると植物の成長に欠かせない雨に恵まれると言われています。ちなみに、次の二十四節気は5月5日(立夏)です。春の季節の移り変わりは速いので、変化に遅れないよう早めに準備しましょう。

次の活動日は 5月14(日) です。
ではまた、なな山でおあいしましょう。

活動概要:
西の谷湧水の水路と境界の整備、3本株立ちのサクラ伐倒と片付け。サツマイモ用畝の準備
参加者:
23人(男性15人、女性8人)
連絡事項:
1. 西の谷で通路上に覆いかぶさっているサクラの木(3本株立ち)は根が浮き上がっていて危険なので切る。
2. 春の植物の新芽が出て来ているので歩く時に注意が必要。
3. 昨日グリーンボランティア初級講座がなな山で行われ、多くの人がサポートしてくれた。
4. 通路で補修が必要な所が何箇所かある。又、通路側にはみ出た草刈りをしたい。
5. 標本植物の打合せと採集。
感想:
西の谷の通路上に覆い被さるように傾いていたザクラ(3本株立ち)を伐倒すると、陽の光が差し込む様になり明るくなった。水路の周りのアズマネザサを刈取り、落葉を掻き取り、溜まっていた泥を掻い出すと湧水が流れ出した。泥が水路に流れ込まない様に、伐倒したサクラの幹や太い枝を水路境界沿いに並べたので、西の谷の景観が一段とアップした。

新しい水路を作る.JPG
新しい水路を作る

新しい水路.JPG
新しい水路

ヤマザクラの伐倒.JPG
ヤマザクラの伐倒

倒れたヤマザクラの玉切り.JPG
倒れたヤマザクラの玉切り

植物採取の説明_2.jpg
植物採取の打合せ

スイカの周りを耕す.JPG
スイカの周りを耕す

倉庫の整理.JPG
倉庫の整理

ムクドリ2_1.jpg
ムクドリ

エビネ.JPG
エビネ

キンラン_2.jpg
キンラン

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グリーンボランティア初級講座が新緑のなな山で開催された! [連携イベント]

4月22日(土)9時からなな山でグリーンボランティア初級講座が開催されました。
8時半から、パネル、めかい、ヒンメリ、植物標本、木工作品などを展示して準備しました。
16期生17名、市長ほか市の関係者、森木会スタッフ、なな山のメンバーが集合し、講座がスタートしました。

1.
司会川添会長が当日のスケジュールを説明
2.
阿部市長が挨拶
3.
高木会長の挨拶となな山緑地の会の今までの経緯説明
4.
S崎さんがなな山を多摩市に寄付した経緯を説明
5.
O井さんが和田緑地の紹介
6.
多摩市公園緑地課小林係長が多摩市のみどり政策の説明
休憩と屈伸運動
7.
川添会長がマント群落など森林の成り立ちの講義
8.
A田さんの案内と説明でなな山の植物や林の種類などの説明
西の谷→西の山→東の山→中の山→中の谷→西の山→広場のコース
9.
昼食
10.
東の山で手鎌による笹刈りと、川添会長の刈払い機の使い方のデモンステレーション
11.
鎌研ぎ

以上の内容で講座が行われ、15時に終了しました。受講生はみんな熱心にメモや写真をとりながら聞いていました。A田さんの説明になな山に関心を持った人も多かったようでした。

最後の方に雨がぱらつきましたが、曇り時々晴れのお天気が何とかもって、なな山の新緑と、キンラン、エビネなどが花盛りのなな山を満喫でき、充実した講座になりました。
大勢のなな山スタッフがサポートしてくれたことに、市と森木会から感謝の言葉をいただきました。

阿部市長.JPG
阿部市長のあいさつ

高木会長.JPG
高木会長のあいさつと説明

S崎さん.JPG
S崎さんの説明

O井さん.JPG
O井さんのあいさつ

講義を聞く講習生.JPG
講義を聞く講習生

A田さんの説明.JPG
A田さんの説明(西の山)

A田さんの説明2.JPG
A田さんの説明(新緑がまぶしい斜面)

手鎌による笹刈実習.JPG
手鎌による笹刈り実習

川添会長刈払い機の説明.JPG
川添会長刈払い機の説明


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カマツカ -植物標本 [なな山緑地の植物標本]

植物標本は、植物がその時その場所に生えていたことの証であり、地域の自然環境の歴史的変化を知る唯一の手がかりとなっています。なな山緑地の会では、2016年より緑地内の植物調査を兼ねて牧野標本館へ寄贈するべく植物標本を作っています。
制作:なな山緑地の会 植物標本プロジェクト
同定協力:内野秀重

このコーナーでは、2016年制作した標本を随時紹介していきます。原本をご覧になりたい方は、N原さんに声をかけてください。
DSCN0167_カマツカ_350.jpg
カマツカ バラ科

採集日:
2016年5月1日
生育環境:
アズマネザサに覆われた谷
ノート:
樹高4m、直径5cmほど
整理番号:
No.木本 - 10

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嫉妬深い山の神? [よもやま話]

「山の神」といえば何を思い浮かべるだろうか。最近では何といっても箱根駅伝のランナー。初日最終5区、小田原から箱根まで山越えコースを驚異の走力で先行者を抜き去る。どこまでも続く急坂を淡々としかも力強い走りで駆ける姿にただただ驚嘆してしまう。ネーミングがフィットしている。
この山の神、人によっては、ガミガミと口うるさい奥方を思い浮かべる人もいるはず。ひと昔前、旦那衆がときどき「うちの山の神がうるさくて……」などと告げ口していた。すでに古語になったか、最近こう豪語する旦那が減った。奥さんも神様と祭り上げられれば悪い気はしないだろうが、近頃の奥さんは旦那さんに優しいから「山の神」と呼ばれるはずもない。ちなみに「カミさん」の由来はこの「山の神」から来ているとか。
ところで、この山の神は、文字通り山を守る神様のこと。先日聞いた話では、山の神は女性だという。知らなかった。男性はいいが、女性が山に入ると山の神が嫉妬するので「入るべからず」と女人禁制になったという言い伝えがあるらしい。最近は「ヤマジョ」が増え、嫉妬していたら切りがないかもしれない。この神様には山の神の日があり、地域で異なるが12月12日が多いようだ。この日、山に入ってはいけない。山の神が木の本数を数える日で、山に入った人まで数えてしまい、その人が木になってしまうからとか(?)。

山の神
山を支配する神。全国にみられる民間信仰で、多くの土地では山の神は女神だという。しかし男神という所もあり、また夫婦(めおと)神としている例もある。山の神を女神としている地方では、この神は容貌(ようぼう)がよくないので嫉妬(しっと)深く、女人が山に入るのを好まないという。(『日本大百科全書:ニッポニカ』)

山初め.png
山の神に一年の安全を祈願する山初め


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ヤマザクラが揺れるなな山、心地よい! お裾分けです [よもやま話]

ヤマザクラ吹く.png
今年の春は少し変でしょうか。サクラの開花は早かったのですが、満開までが長く、しかも雨や寒さで「はるがキタッー」という高揚感が少し乏しかった気がします。雨で延期になった先日の活動日は、初夏を思わせる陽気でした。新緑に染まり始めたなな山は、ヤマザクラが爽やかな風に吹かれていました。「さっきの桜吹雪、綺麗だった!」と満面の笑みのB場さんが印象的でした。
涼風に吹かれるヤマザクラを動画でお裾分けです。容量の制限で8秒のみですが、「再生」ボタンを押してご覧ください。右から2つめの四角いボタンをクリックすると全画面で表示されます。うまく再生できない場合は、ダウンロードしてください。


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集合写真の目線が違う、その先に何が? そしてコナルとは? [よもやま話]

4月16日活動記録の「開始時の集合写真」をじっくり見ていただきたい。多くの人が正面を向いてカメラ目線なのに、よそを向いている人が何人かいる。集中していない証拠と指弾されそうだ。視線の先に何がある?
実は、小鳥が畑に舞い降り、出入り口の方向にチョンチョンと可愛らしく歩いていたのだ。しかも2羽。お腹が黄色で尻尾がピンと伸びている。撮影のために散らばっていた人が集合した隙を狙って、我が物顔で散策を始めた。デジカメで姿を追うが、すばしこくピントが合わない。「セキレイだ。望遠だと難しい。入る?」とA木(弘)さんが声をかけてくれた。「黄色いからキセキレイ」とM崎さん。「アメリカでは道路を走るのでロードランナーとも呼ぶ」。さすが博学だ。

A木(弘)さんといえば、中級講座の補講で長池公園を訪ねたときに顔を合わせた。長池公園で有名な丸太オブジェを制作しているのがA木(弘)さんと知りビックリ。イースター島のモアイ像のような作品だ。一人で製作しているという。「次の作品を楽しみにしています、と知らない人から声をかけられたりする」と嬉しそう。なな山にも作りましょうと声をかけたら、「丸太もたくさんあるし、入り口のところに置いたらいいね」と意欲的。「コナルのことだね」とN黒さんがコメントする。「コナラで作ったオブジェなので、そう命名したんだって」。なるほど「コナル」か。なな山の入り口に飾りたいなあ~、ねぇA木(弘)さん。

キセキレイ.png
キセキレイ

キセキレイ「日本の鳥百科」

コナル_長沼公園.JPG
コナル(長池公園)



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いよいよ春! いっせいに緑がかってきた 活動記録(2017.4.16) [活動報告]

なな山緑地の会の皆さん

定例の活動日が雨で2回連続翌週に振替えになったせいか、参加者が20名とやや少なかった。然し、初夏の様な天気に恵まれ予定の作業は全てやり終えた。サクラ材(倒木)は重量があり、簡単には下に落ちてくれないので、ロープを使い運搬機で引張ったりして何とか全て下し、遊歩道脇に積み終えた。西の谷のシュロやアズマネザサを取り除き、サイハイラン、ホウチャクソウ等にもっと光が当たる様に環境を改善した。ホウチャクソウは既に花を垂らし始めているし、今後、色々な花が咲き始める季節になるので、なな山に来る楽しみが増えてきた。

次の活動日は 4月23(日) です。
ではまた、なな山でおあいしましょう。
 M崎さん記
 
活動概要:
サクラ材(倒木)の処理・アズマネザサの手刈り、中の山で間伐と伐倒の片付け、倉庫の整理
参加者:
20人(男性12人、女性8人)
連絡事項:
1. 気温が上がるので熱中症に注意。
2. 今年の桜は場所により随分持ちが長い所が有る。
3. 他の会を見学したら、外来種の駆除をやっていた。外来種でのさばる種を対象に駆除する。
4. サクラ材(倒木)の処理をする。
5. 倉庫の棚卸をする。
6. 中の山で間伐と伐倒の片付け。
7. 西の谷でサイハイラン等がアズマネザサに覆われ始めた所を手刈りする。
感想:
定例活動日が雨で2回連続の振替え活動日になり参加者がやや少なかったが、初夏の様な天気に恵まれ予定の作業をやり終えた。ヤマザクラの背後に広がるコナラやクヌギの若葉が青い空に浮き上がる今の季節が一番すがすがしく感じられる。ホウチャクソウの花が垂れ下がり始め、これから色々な花が咲き始める季節になるので、なな山へ行く楽しみが増えて来た。
 
サクラの材を山から下す.JPG
サクラの材を山から下す

材を運搬車で引き下す.JPG
サクラ材を運搬車で引き下す

材を固定する杭を打つ.JPG
サクラ材を固定する杭を打つ

西の谷の道を付け替える.JPG
西の谷の道を付け替える

中の山不要木の伐倒.JPG
中の山で不要木の伐倒

中の山伐倒木の片付け.JPG
中の山で伐倒木の片付け

サイハイランの保護.JPG
サイハイランの保護

植物標本採取.JPG
植物標本の採取
 
カリン.JPG
カリン
 
ヤマザクラと若葉.JPG
ヤマザクラと若葉


 


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ウワミズザクラ -植物標本 [なな山緑地の植物標本]

植物標本は、植物がその時その場所に生えていたことの証であり、地域の自然環境の歴史的変化を知る唯一の手がかりとなっています。なな山緑地の会では、2016年より緑地内の植物調査を兼ねて牧野標本館へ寄贈するべく植物標本を作っています。
制作:なな山緑地の会 植物標本プロジェクト
同定協力:内野秀重

このコーナーでは、2016年制作した標本を随時紹介していきます。原本をご覧になりたい方は、N原さんに声をかけてください。

DSCN0165_ウワミズザクラ_350.jpg
ウワミズザクラ バラ科
採集日:
2016年4月19日
生育環境:
落葉樹の湿り気のある谷
ノート:
谷から高い道路わきに生え上がる
整理番号:
No.木本 - 9
 
 

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シノダケ・ヒンメリその3 作り方・遊び方1 「基本の形」の話 [シノダケ・ヒンメリ]

本家のフィンランドのヒンメリは、本を観ると「正八面体」を基本形に考えられているように思います。シノダケ・ヒンメリの世界を拡げるにあたって、最初に「正八面体」を含む「正多面体」の話から始めたいと思います。
正多面体には、「正4面体」「正6面体」「正8面体」「正12面体」「正20面体」の五種類があります。

正八面体大小4つを入れ子にしたもの.jpg
正八面体大小4つを入れ子にしたもの

詳しくは、正多面体クラブHP:http://www.h7.dion.ne.jp/~kagaku/index.htm
その中にある、ストロー正多面体:
を観ることをお奨めします(作り方も書いてあります)。

そのHPにも書いてありますが、「正4面体」「正8面体」「正20面体」の三種類は、作ってみると分かるのですが、しっかりとした形で出来上がります。それに対して、「正6面体」と「正12面体」は、ふにゃふにゃになってしまいます。原因は、「正4面体」「正8面体」「正20面体」の三種類は、構成面が三角形になっているのに対して、「正6面体」は面が四角形、「正12面体」は面が五角形になっているからです。
ここからがシノダケ・ヒンメリの始まりです。四角形には筋違い(すじかい)を入れると二つの三角形になります。五角形は、5つの頂点から5つの辺を出して結べば5つの三角形になって全体が安定します。シノダケ・ヒンメリでは、「正6面体」と「正12面体」とに少しだけ手を加えて、「正4面体」「正6面体」「正8面体」「正12面体」「正20面体」の五種類を基本形として様々な形に構成して行こうと考えています。
・・それが容易に出来るところがシノダケ・ヒンメリの好いところなのです。

ここで、簡単な「おさらい」。
「正4面体」「正8面体」「正20面体」の基本形を画像で確認しておくことにします。
 
正4面体.jpg
正4面体

正8面体.jpg
正8面体

正20面体.jpg
正20面体

いずれも面が三角形なのが分かりますね。
「正4面体」は、テトラパックとしてお馴染みのかたちです。
「正8面体」は、頂点を上にして吊るすと上下二つの三角形のように見えます。
「正20面体」は、正三角形により球のようなものを作った感じです。
そのいずれもが、同じ長さの部材で構成されていることが、とても重要です。材料を作るのが容易なのです。

次に、シノダケ・ヒンメリの面白さの一端として、「正6面体」の話しをします。先に書いているように、「正6面体」は、作るとふにゃふにゃになってしまいます。そこでシノダケ・ヒンメリでは、四角形には筋違いを入れて二つの三角形で面を作り、全体で正6面体を作ることにします。・・何が起こるでしょうか?
6面に入れる筋違いは6本です。その6本を連続的になるように入れると、中の筋違い6本が「正4面体」を構成していることが分かります。

筋違入り正六面体1.jpg
筋違い入り正六面体1

このシンプルな正6面体は、わずかに12本の辺と6本の筋違いによ依って出来ているのですが、筋違いの入れ方によっても様々な形を見せてくれます。話しだけでは分からないと想うので、ここでは三つの画像を紹介することにします。

筋違入り正六面体2.jpg
筋違入り正六面体2

筋違入り正六面体3.jpg
筋違入り正六面体3

筋違入り正六面体4.jpg
筋違入り正六面体4

ところで、筋違いの入れ方によって景色が異なりますが、一体何種類あるのでしょうか? その写真の画像は、少しずつ違う形をしています(この話は次回以降に予定します)。
更に、実は、この筋違いを八つの頂点から立体の中心に集めることも出来ます。画像としては、またちょっと面白い形を見せてくれます。

筋違入り正六面体の別バージョン5.jpg
筋違い入り正六面体の別バージョン5

シノダケ・ヒンメリでは、これらの「少し手を加えた正6面体」も基本形に、多分5種類の形を加えて楽しむことにします。

・・今回は、入口というか、さわりの話しでした。
まだ「正12面体」の話しが出来ていません。・・その話も次回以降にお話しします。
・・オタノシミに。

参考図書:「フィンランドの伝統装飾ヒンメリ」おおくぼともこ著、発行:プチグラパブリッシング
フィンランドのヒンメリは、同じHPのhttp://himmeli.jp/himmeli.html
   中山さん記



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喰えないやつら [アトリエN]

とある菜園の中、ジャガイモ爺さんの自慢話が始まった。
「ウオホン、並み居る野菜の中で被告席についたのは、わしのご先祖様くらいのものじゃろう」
インゲンマメもゴーヤも、アスパラガスも、そしてキャベツにトマトも、またかという顔でそっぽを向いているのだが、ジャガイモ爺さんはお構いなしである。
「時は1748年、フランスはブザンソンの高等法院で有罪判決を受け、栽培禁止となったのじゃ、そもそも・・・・・」
爺さんの長広舌に耐えかねて、ゴーヤが茶々を入れる。
「爺さんよ、それは18世紀の話だろ?今じゃあ、飼いならされて、ずいぶん温和しくなったのじゃないのかい?」
「なにを言うとる」
と、ジャガイモ爺さんはムキになって
「どんなに時代が過ぎようと、野性の牙は抜かれておらぬわ。そもそもこの国で一番中毒率が高いのは、わしらジャガイモなんじゃ。一度あたれば腹痛・嘔吐・下痢・めまいでのたうちまわり・・・・・」
「下痢・嘔吐・腹痛なら、おいらも負けていないよ」と、インゲンマメが口をはさむ。
「しかも、わずか5粒もあれば十分。ひょっとしたらジャガイモさんより強烈かもね」
そこにゴーヤが割って入り
「さあてねえ、それなら俺たちのほうが、凄いかもよ」
すると、そこにアスパラガスの声がした。
「ちょっとあんた達、嘔吐・腹痛・下痢だなんてイケてないんじゃない?しかも汚いしさ。あたしたちみたいにクールにいきましょうよ」
「お前さんのどこがクールなんだよ」
ジャガイモ・インゲンマメ・ゴーヤが一斉に突っ込むと、アスパラガスはすまし顔で
「あたしはね、ヒトのお腹にはあたらないのさ、農家の人や、缶詰工場で働く人たちの眼や鼻や喉に、ちょいと悪さをしてやるんだよ」
「けっ、それのどこがクールなんだよ、陰険なだけじゃないか」
「ああら、インゲンさんに云われたくない言葉だわねえ」
キャベツとトマトがおずおずと割って入り
「まあまあ、皆さん、喧嘩はやめましょうよ」と、とりなしたが、みんな興奮しているので、おさまるものではない。ジャガイモ爺さんなどは
「なんだお前らは。毒にも薬にもならぬ腰抜け野菜のくせに」
きめつけられて、怒りと屈辱のためにキャベツは青ざめ、トマトは赤くなった。
「私たちだって、毒ぐらいは持ってますよ」
× × × × ×
キャベツとトマトの名誉のために言っておくが、アブラナ科のキャベツにはカラシ油配糖体があり、これがゴイトリンというものに変身すると、極めて厄介なことになる。もっとも、市場に出回っているものは品種改良済みで、ほとんど問題にはならないらしい。
トマトの毒性物質であるトマチンは、不快感や胃の不調をきたす物質だが、赤い実を食べて中毒するには相当な量を食べなければならない。しかし、茎や葉には実の2400倍ものトマチンが含まれている。アステカからヨーロッパに持ち込まれたこの野菜が、200年もの間、虫垂炎や胃がんを引き起こすと云われ続けていたのはこの為かもしれない。
ジャガイモは、あまりに小さいものや、長時間光に当たったものは避けた方がよさそうだ。
インゲンマメは調理前に良く水に浸し、柔らかくなるまで加熱すること。加熱が不十分な場合は、生のマメの50倍にも毒性がはねあがる。
店頭に並ぶゴーヤは未熟果で、まず中毒の危険はないが、収穫期を過ぎてオレンジ色に完熟した果実は怖い。この話には登場しなかったが、完熟果が怖いのはズッキーニも同様である。家庭菜園からのおすそわけには十分注意した方がよさそうだ。
      N田さん

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