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ミョウガのはなし  -アトリエN- [アトリエN]

 釈迦の弟子のひとり、周梨槃特(シュリハンドク)は、物忘れがひどく、お経が覚えられないだけでなく、自分の名前さえすぐ忘れてしまうので、自分の名を書いた木の札を首から下げているほどであった。ところが彼は、その札をぶら下げていることまで忘れてしまうのである。しかしそんな彼が、ついには煩悩まで忘れてしまったために、他の高弟に先駆けて悟りを拓いたという。凡人の私には信じられない話である。私などは自分の肉親の顔を忘れても、煩悩を忘れることはない。それだけは自信をもって言うことができる。
 周梨槃特が首から下げていた木の札を「名荷」といい、人々は彼の墓から生えてきた植物を「茗荷」と呼んだ。
 茗荷を食べると物忘れをするというのは、この周梨槃特の言い伝えから来ているようだが、落語「茗荷宿屋」では、大金を持ったお客に茗荷を食べさせて、財布を忘れさせようと奮闘する宿屋の主人が登場する。件のお客は茗荷を食べすぎて、宿代を払うのを忘れて行ってしまった・というオチである。
 ミョウガはショウガ科ショウガ属の植物で、香りの強いほうを兄の香「せのか」、弱いほうを妹の香「めのか」と呼んだのが、いつしか「ショウガ」「ミョウガ」になってしまったという、もう一つの説があるが、むしろこちらのほうが真実に近いのかもしれない。
 ミョウガを食べると物忘れをするというのはあくまで俗説で、実際にはそんなことはない。むしろ集中力を高め、眠気を覚まし、ストレスや神経疲労・夏バテ解消・エアコン負けなどに効果があるという。
 赤っぽい芽のような形のミョウガは、花蕾である。我々が食べるのは、ミョウガの花なのだ。
 ショウガが世界中で利用されているのに対し、ミョウガは中国・朝鮮・日本などで食べられているに過ぎないが、その独特の香りが敬遠されているのに加え、栽培が難しいことも影響しているようだ。
 さて、猛暑が続いている。
 今夜の食事には、ソーメンでも茹でることにしようか。薬味にはミョウガを刻んで、つかの間暑さを忘れることとしよう。
  N田さん

ミョウガ.jpg
ミョウガ。提供:「写真素材足成」http://www.ashinari.com

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